MF肥田野と話をする関東一・小野貴裕監督

 2016年度、2017年度、そして昨年度の選手権大会に出場、インターハイでも4強の実績を誇る関東一。優勝候補にも挙げられた今年の関東大会予選では8強で敗退したが、インターハイでは雪辱を期す。インターハイ予選1次トーナメントブロック決勝後、チームを率いる小野貴裕監督に、試合の振り返りや次戦に向けての意気込みなど話をうかがった。

ーーまず今日の試合を振り返ってみていかがだったでしょうか?

 相手も元気な選手が何人もいましたし、決して楽なゲームではなかったかなと思います。相手が5バックで入ってきていましたが、前に速い選手もいたので最初から攻めに来ていたらゲーム展開も変わっていたのかなという感じもしました。前半は1点だけしか取れませんでしたが、相手の体力を奪えていたと感じていましたので、うまくゲームを運べれば後半は得点を重ねやすくなるのかなとは思っていました。

ーー前半奪えた得点は1点のみでも、相手の体力を奪えていたので後半は期待していたということでしょうか?

 そうですね。そこは相手も相当頑張って守っていたので体力的にも厳しかったのではないかなと感じていました。

ーー後半は立ち上がりでまず点を奪えて理想的な展開に持ち込めたのではないでしょうか?

 今日は前半も後半も、早い時間帯で点が取れていたので、そこは気持ち的に少し余裕ができたかもしれないですね。

ーー今日は小野監督から見て、よく働いてくれたなという選手はいますでしょうか?

 得点を決めたMFの若松などは良かったかなと思います。彼は去年から出ていましたし、今年はポジションを変えながら出ていて、関東大会の予選では点数に絡めなかったんですけど、この大会からは点数に絡んでくることができていたので、そのあたりは本人にも自信になっていたのではないかと思います。今日も結果を出したので、今後の自信に繋げてくれればいいなと思っています。

試合前に円陣を組む関東一イレブン

ーー関東大会の都予選では準々決勝の成立学園戦で逆転負けを喫してしまったわけですが、そこからどのあたりを修正して試合に臨まれたのでしょうか?

 あの試合の反省点としては失点した最後の終わり方のところを共有できなかったということと、あとは選手同士ではっきりと意思を示すことができなかったところですね。その部分は選手たちによく伝えていることで、攻めるにしても守るにしても、ちゃんと自分たちの意思を示すことの大切さを話しています。それがあるからこそ味方がわかるのであって。

 成立学園さんとの試合では、最後は相手が出てくるのは分かっていたので、自分たちの中でバランスを崩さないようにすればよかったんですけれど、結局お互いに意思を共有できなかったので、そこがもったいなかったと思います。ですので「共通理解」を多くしたいなということを修正していました。それから攻撃も単発に終わることが多かったので、継続しやすいようなサッカーに変えたりはしました。

ーー去年のチームでは笠井佳祐選手(現桐蔭横浜大学)のような絶対的なエースがいましたが、これから先は点を奪うことが厳しくなってくる戦いになってくると思いますが?

 今現在も2枚ほどエース格の子がちょっとケガをしてしまっていて、その子たちの復帰を待っているんですけれども、高い能力を持った代わりの選手もいるので、そこから伸びてきてくれる子が出てくるといいなと思っています。現状のチーム状況ではなくて、成長しながら勝っていければと思っています。

ーー層の厚さという意味では今年のチームはいかがでしょうか?

 今年のチームは悪くないと思います。去年はストロングがある分、逆に変えずらかったりしたこともありました。試合数が少なかったこともあり、試すこともなかなか難しいということもありました。今年は多くの方の支えてもあって、おかげさまで関東大会やインターハイも開催していただいているので、選手たちには思い切ってやってほしいと思いますし、戦いながら強くなっていけたらいいかなと思っています。

ーーこれから厳しい戦いが続くと思いますが次戦に向けての意気込みをお願いします

 これからは一週間ごとの戦いになるので、コンディションを整えてトレーニングの中で状態の良い選手を使っていけるようなチーム状況にしていきたいなと思っています。

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選