履正社・平野直樹監督(取材・写真=会田健司)

 12月4日、大阪市中央区の読売テレビ本社で第99回全国高校サッカー選手権大会に出場する近畿2府4県の代表校の共同記者会見が行われた。6年ぶり3回目の出場となる大阪府代表履正社からは平野直樹監督が出席。

――選手権予選と今年のチームについて。

 「6年ぶりの出場ということで、マイクを持つ手が若干震えております(笑)。予選をやるにあたってコロナで行われるかわからない中、高体連の先生や色んな方々に感謝しています。ちょっと良い選手が揃っていて、今年はなんとか全国に出る機会を頂ければ良いかなと予選を開始しました。ただ、大阪は個性的なチームがほんとに沢山あるので、一戦一戦集中して手抜かりなく戦わないと、どこに落とし穴があるか分からないとも思って挑みました。苦しいゲームも多い中、得点は練習でやってきたセットプレーに助けられることも多い中、一つ一つ勝ち上がっていきました。準決勝で優勝候補の阪南大高さんと対戦した時は、負ける気はしないけど、簡単に勝てる気もしないゲームで、案の定先制され、子どもたちには「大丈夫だから」と話していたのですが、子どもたちは「あの時はやばかった。焦った」と言っていたと後から聞きましたが、「そんな風にはみえなかったよ」という話もしていました。なんとか勢いに乗って逆転することができました。決勝も難しい試合になると思っていたのですが、結局それもCKからの得点ということで、やっぱりトーナメントはセットプレーが重要だと痛感しました。関西の6代表の中で唯一、シード権に乗っかりまして、お正月はおめでとうということで過ごせるので、ちょっと安心しています。是非、他の皆さんは頑張ってください(笑)」。

――選手権初戦の対戦相手について。

 「中心でやってくれているのが、キャプテンのMF赤井瞭太や、ボランチのMF平岡大陽がいて、CBには、DF李泰河という身体が大きい選手がいて、前にもFW神田拓海、FW李晃輝がいます。ただ、僕の中では予選でも途中から出てきたFW廣野大河やMF竹腰智也の2年生が重要なキーマンだと思っています。彼らは非常に能力が高くて、流れも変えられる。竹腰は赤井と平岡に匹敵する力が今の時点であって、赤井がキャプテンだから赤井を先に使っているぐらいです。赤井が怪我で出られない時も、平岡と竹腰のダブルボランチで十分高いパフォーマンスを見せてくれていたので、スタートでは出ていませんが、僕の中では外せない選手だと思っています」。

履正社高等学校
野球部を筆頭に強化クラブが全国大会に出場し活躍。その中で2003年にサッカー部も強化クラブとして発足。2013年と2014年に選手権大阪大会を連覇して以来3度目の全国大会となる。今年度はコロナ禍で思い通りに練習もできない中、チームを信じ、仲間を信頼することを合言葉に活動してきた。キャプテンのMF赤井瞭太や湘南ベルマーレ内定の平岡大陽を筆頭に3年生がチームを引っ張り、2年生も3年生の背中を追いかけチーム力を上げてきた。過去2大会ではいずれもベスト8。今年は誰が試合に出てもチーム力が落ちないその選手層で日本一を目指す。

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権