MF石野蒼(三田学園)

 冬の全国選手権出場権をかけた第98回全国高校サッカー選手権兵庫予選の決勝ラウンドが10月19日に開幕する。決勝ラウンドは予選ラウンドを突破した32校に加え、総体予選8強など計50校が出場しトーナメントを戦う。

 インターハイ初出場を果たした三田学園が冬も有力候補であるのは間違いない。MF森田雄大、MF石野蒼のダブルボランチを中心とした中盤の構成力が今年の売りで、DF髙川海亜を中心とした守備陣も格上との戦いが続くプリンス関西で鍛えられ、大崩れの心配がない。近年は期待されながらもあと一歩の所で全国行きを逃がしているため、今年こそはという想いもプラスも働くだろう。ただし、トーナメントを勝ち抜くのは容易ではなく、準々決勝ではもう一つの本命・神戸弘陵と対峙する。プリンス関西では苦戦が続くが、DF田平起也、MF沖吉大夢を筆頭にタレント力では県内では飛びぬけているのは確かだ。2年生プレーメーカーMF田中魁人ら怪我人が戻りつつあるのもプラス材料と言える。この二校の勝者と準決勝でぶつかりそうなのは前年王者の関学高。選手権出場の影響でチーム作りは遅れたが、DF網谷周世、MF三輪愛大、FW望月想空と縦のラインに昨年の経験者が並ぶ構成は豪華だ。右のMF杉浦篤生を活かす今年ならではスタイルが力を発揮し、夏以降は充実した試合運びを見せる。反対の山はインターハイ予選のファイナリストである芦屋学園と滝川第二の一騎打ちか。前者は夏以降の失速が気になるがDF出口昂貴、MF黄慶斗ら個性派の奮闘次第では夏を超える成績もあり得る。後者も県1部では苦戦が続くが、DF中谷俊介、DF口石典明らタレントは豊富で勝ち上がりと共に勢いを増す可能性は十分。県屈指のサイドアタッカーMF山本亮太擁する神戸星城も上位に入りそうだ。

(文・写真=森田将義)

▽第98回全国高校サッカー選手権兵庫予選
第98回全国高校サッカー選手権兵庫予選