岡崎慎司(以下、岡崎) 僕結構インターネットも見るんですけど、ディフェンシブ・フォワード(DFW)っていう言葉は系譜があるみたいで、ネットの中で。鈴木さんがその代表例なんですよ。

 鈴木隆行(以下、鈴木) 先駆けみたいな?

 岡崎 その中に僕もいるんですよ。

 鈴木 なるほど。

 岡崎 体を張ってとか、ボール以外の部分で役に立つみたいな、そういう人と話して、子どもや今の選手たちにヒントになるようなことがあるのかなと思って。その気持ちを聞きたいなと思ったんですよね。

 鈴木 まず、そういうこと(FWでもディフェンスすること)を始めたのは、鹿島アントラーズに入団して6年目ぐらいのとき。(高校から鹿島に入団して)本当、それまでまったく出れなくて、いろんなチームに行って、(鹿島に)戻してもらったときに、たまたまチャンスをもらって試合に出た。

 そのとき、守備も絶対に手抜けない状況で。立場的に当然、攻撃も行かなきゃいけない状況だから、必ず全力でどっちもやってて、どれだけ戻っても怒られなかった。

 パートナーが柳沢(敦/現・鹿島アントラーズ・ユース監督)ということが多くて。ヤナギは前に離しといて、自分はもう本当に後ろまで下がって(プレーしていた)。最終ラインまで下がってディフェンスしても、その当時、(監督は)トニーニョ・セレーゾだったんだけど、怒られなかったの。むしろ、それを歓迎してくれるような状況で、そこからまた自分が上がって攻撃に参加していくというのが、(DFWの)本当に始まりというか。

 岡崎 なるほど。

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