日吉に建てられた校舎には約90年の歴史がある(写真=多田哲平)

 偏差値75以上と神奈川トップの学力を誇る、言わずと知れた超名門・慶應義塾高校。生徒数約2200名の男子校で、学生の9割以上が慶應義塾大学に進学する。

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 この夏には野球部が甲子園で107年ぶりの優勝を遂げて話題となったが、ソッカー(サッカー)部も県内で小さくない存在感を放っている。強豪校が並み居る神奈川において、県内トーナメントでは度々上位に進出し、2016年にインターハイ出場を果たしているのだ。

 そんな文武両道を追求するソッカー部は、どんな教育方針を掲げているのか。23年間に渡ってソッカー部の部長を務める後藤功先生に話を訊いた。

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――まずは慶應義塾高校の校風について教えてください。

 歴史から話しますと、戦前は「大学予科」として、「大学本科」に上がる前段階の教養や語学を学ぶ学校でした。それが戦後に旧制中学の普通部などの一部と合併して今の3学年の高等学校となりました。

 もともと大学予科の教員が多くいたこともあって、手取り足取り指示するのではなく初めから生徒を大人扱いする特徴があります。また彼ら学生を伸び伸びとした環境で育てる、そういったコンセプトが、この日吉キャンパスには当初からあったと聞いています。

――良い意味で自由な環境ということですね。

 はい、ひと言で言えば「何事も自主的にやってください」という方針です。各種手続きも基本的に生徒自身が申請をして、その書類に基づいてはじめて動くという大人っぽいところがあります。学園祭や球技大会といった行事も、かつて生徒が学校と折衝して作り上げてきた経緯があります。何事も学生主体でやるという古き良き感覚というか、本当によくできた環境ですよ。私は慶應義塾出身ではないので、よりその凄さは感じますね。

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