飯塚FW村越凱光(写真=森田将義)

 12月3日、来季から松本山雅FCへの加入が内定している飯塚FW村越凱光(3年)の入団内定記者会見が、福岡県飯塚市の同校で行われた。会見には、村越の他に中辻喜敬監督と松本の江原俊行チーム統括本部強化育成部スカウトが出席。サッカー部、吹奏楽部、陸上部、駅伝部、柔道部の生徒が見守る中、壇上に立った村越は「松本山雅FCという素晴らしいチームでプロサッカー選手としてのスタートできるのを心より嬉しく思っています。自分がこの場に立てているのは、中辻監督を始め、これまでの指導者や先生、チームメイト、家族の存在があったから。自分に携わってくれた人たちには感謝の気持ちしかありません。感謝の気持ちを忘れずにこれからのプロ生活を頑張っていきたい」と意気込みを口にした。

 神奈川県のエスポルチ藤沢出身である村越が、福岡県に来た理由は、彼が中学3年生の夏まで遡る。中辻監督が試合視察に行ったものの、村越は怪我で未出場だったが、「ベンチから戦況を見つめる姿、ハーフタイムにボールを蹴る感じ、『飯塚に来て一緒に頑張ろう』と声をかけた時の熱い眼差しを見て、『コイツは何かやるんじゃないか』と熱いものを感じた」(中辻監督)。村越も練習参加や試合見学もしないまま、入学を即決。「この人について行ったら、プロになれると思った」と振り返る。

 入学1年目は、ヤンチャさが顔を覗いたが、持ち前のドリブルとパンチ力のある左足シュートを評価され、選手権予選のメンバー入り。準決勝の筑陽学園戦では、試合終盤の5分ながらもピッチに立った。0-1で敗れた後に、一番悔し涙を流していたのが村越だったという。敗戦を境に、学校生活や練習に対する取り組みが日増しに良くなっていった。最終学年を迎えた今年は、新チームになってすぐのリーグ戦でコンディション不良により、持ち味を発揮できず前半途中で交代。雷を落とした中辻監督は、試合後に村越がどんな態度をとるのか観察した所、学校に帰ってからグラウンドを全力で走る村越がいたという。「彼の姿をサッカーにかけている想いを感じた。ただのヤンチャ坊主ではない。そこで初めてプロに行くんじゃないかなって思った」(中辻監督)。

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