日本でFC琉球、FC Koreaでのプレーを経て、海外ではインドで3年間、その後タイ、香港で選手としてプレーした孫民哲(ソン・ミンチョル氏)。京都朝鮮中高級学校で高校時代には、第82回全国高等学校サッカー選手権に出場を果たした同氏にお話を伺った。

――最初にミンチョルさんの自身の経歴について伺えますか?
はい。高校では、京都朝鮮中高級高等学校に通い、第82回全国高等学校サッカー選手権に京都朝鮮中高級学校として出場しました。2回戦で武南に2-0で負けてしまいましたが、この時が同校唯一の選手権出場になります。その後、朝鮮大学校を経て、日本ではFC琉球とFC Koreaでプレーをしました。そこから海外はインドに出て3年間プレーし、タイ、香港と移籍していきました。初めての海外でのプレーは標高1500mで、開幕戦には2万5千人入るようなクラブでしたので、一番初めから凄い経験になりました(笑)。

――-すごい経験ですね。そこから今は京都朝鮮中級学校でコーチとして指導されてるわけですね。部活動についてもお話を伺わせてください。

プレーに関して言えば、後ろからボールを持ちつつも、現実問題相手との力量関係を見て守備についても考えます。理想としてはボールも持ちながら、ボールを持たない時は前からプレッシャーをかけていく様な戦術が好みです。チームで言えばリバプールなどが好きですね。ただ、うちは学校の事情で選手をスカウティングやセレクションで獲得することは出来ないので、如何にいる選手たちで勝ちに行くかを考えています。強豪校のように一人の選手が駄目だから他の選手を起用する、というわけにはいかず、どうその選手を成長させ、長所を伸ばしていくか。自分もうまいタイプの選手ではなかったので、気持ちもわかりますし、常にどうやったら上に行けるのかを考えながらやってきたので、今は選手たちと一緒に考え試行錯誤しています。選手に対しての距離も近く、思い入れもあるので、自分の性に合っていますね。

部活動の考え方としては私生活、学校生活の土台の上にサッカーがくると考えています。例えば、試合に出ていなかった選手の中にも、一生懸命チームの為に水くみをしてくれている選手がいると、チョン・ソンギ総監督なんかはそれを見て「あいつ仕事が出来るな」と言うんですね。確かにその選手は試合には出ていませんが、普段から本当に頑張っているし、今後いつ伸びるかも分かりません。また、もしかしたらそういった選手の方が社会に出たら活躍する場合も出てくる。だから、部活動では私生活、学校生活を重要視しています。

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