ーー音楽業界でお仕事をされていた経緯があるそうですが、それはどういった経緯でしょうか?

 イタリアで狭いエリアでの動きなどを学んで帰ってきたときに、日本にもフットサルコートが作られるようになってきて、大会も開催されることも多くなっていたタイミングでした。それで自分でチームを立ち上げて大会に出場したりしていたんです。その後、日産などで活躍されたマリーニョさんから「日本代表としてプレーしないか」というありがたい話もいただいたんですけど、自分の中では「もう一回サッカーでチャレンジしてみたい」という思いがあって、アルビレックス新潟の初代監督をされていたフランツ・ファン・バルコムさんの元にセレクションを受けにいったんです。バルコムさんからもとても評価していただいたんですけど、直後にまた足の靭帯を切ってしまったんです。

 病院に入院していていろいろなことを考えていると、素晴らしい指導者の方と出会ったり、海外にチャレンジしてみたり、フットサルチームを立ち上げたり、自分の中で「サッカーをやり切ったかな」と思う時期が訪れたんです。それで何かサッカーとは別のことをやりたいなと思い、音楽業界に飛び込んだんです。それでアメリカのバークリー音楽大学で作曲などを学ばれたジャズピアニストの佐藤允彦さんに大変お世話になって、イーストワークエンタテイメントという会社を紹介していただいたんです。その会社の社長面接のときに「音楽のことはよくわからないですけど、サッカーで学んできたことを活かすことはできます!」という話をしたら社長に気に入っていただいて。

 そこでは自分をアピールすることや人に気に入ってもらうにはどうしたらいいかなど、サッカーで学んだことを活かして仕事をしていました。佐藤允彦さんやジャズドラマーの日野元彦さん(日野皓正氏の弟)、ジャズシンガーの綾戸智恵さんらを担当したんです。イーストワークエンタテイメントで仕事をしているうちに本当に多くの方々と出会い、多くのことを学ばせていただきました。これはサッカーでも同じことが言えるんですけど、人と人をつないだり、目に見えていないものをどれだけイメージできるか、ということが音楽業界でも重要だったなと感じました。その後、Mr.Childrenやゆずなどを発掘したトイズファクトリー社長の稲葉貢一さんから「一緒に仕事しないか」という話をいただいたりもして。何も知らずに飛び込んだ音楽業界でしたが、とても良い経験をさせていただいたと思っています。

次回はサッカースクールを設立したきっかけなどについて話を聞く。

▽malvaサッカースクール
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