松商学園・高山剛治監督(写真提供=松商学園サッカー部)

 平成元年のインターハイ初出場以来、インターハイ、選手権を合わせ30回もの全国大会出場を果たしている長野県の強豪・松商学園サッカー部。そんな長野屈指の名門校を率いる高山剛治監督に、チームの中心選手や現状の課題などについて話をうかがった。

ーー現チームはどんなチームですか?またチームの中心選手を教えていただけますでしょうか?

 今年は目標としている「主導権を握る」というサッカーがだいぶ洗練されてできるようになってきているので、選手権に向けて、よりスピード感を出していきたいなと思っています。現段階では順調に、いい仕上がりになってきていると思います。

 中心選手としては3年生のMF秋山世成、MF酒井優、MF近藤光。3人とも攻撃的な選手なんですけれども、その子たちが攻撃の部分で決定的な仕事、プレーをしてくれると結果も付いてくるのかなと感じています。

ーー新人戦では準優勝、インハイ予選は8強で敗退でしたが、今のチームの課題はどういった点でしょうか?

 去年の選手権予選の準決勝も、インハイ予選の準々決勝も共通しているんですけれども、自分たちのいつもやっていることが出せなかったということですね。もちろん相手が強い高校だったとか大きなスタジアムでの試合だったということもあると思うんですけれども、相手云々より、まず自分たちが緊張してしまったり、「勝ちたい」という思いよりも「負けたくない」という思いの方が出てしまったところがありました。これは新人戦の決勝もそうでした。

 今の課題としては、毎日しっかり、本番と同じ緊張感のある空気で練習を重ねる。そして本番になって自分たちが納得できるようなゲームをする。そのための日々を送るというのが選手も指導者も課題として取り組んでいるところです。

練習中の松商学園サッカー部(写真提供=松商学園サッカー部)

 とくに自分たちがボールを持とうとしているので、怖くなると「受けたくない」となってしまったり、逃げの「ロングボール」が増えてしまったりするんですね。自分たちでオープンな展開にしてしまっているという部分がどのゲームでも共通してあったので。

 そうではなく、主導権を握って再現性のあるプレーをすることが自分たちのサッカーであって、偶然的にボールを奪って偶然的に点を取るということを目指しているわけではないので。そういったところを突き詰めて、最後に勇気を持って自分たちが主導権を握ってアグレッシブにやるために日々の練習からしっかりやって毎日を過ごそうと、選手たちとも話をしています。

ーー現在Aチームは県1部リーグの所属ですが、プリンス昇格や全国大会常連など、さらに上を目指すにはどういったことが必要だと感じられていますか?

 やはり毎日の、日頃の改善がいちばん重要かなと思っています。自分たちがやりたいサッカーができるような技術や戦術が洗練されてきてはいるので、もう一度全国大会の常連になるためには勝負強さというか、どんな環境でもどんな相手とでも自分たちの強さを発揮できる、そういうチームになっていかなければならないと思っています。

 リーグ戦や練習試合などでも、強いチームには勝ったりするのですが、同等か、やや下のレベルのチームに引き分けたり負けてしまったりすることがあるので、そういうムラというか、どんな相手とでも自分たちのサッカーができるようになることが必要だと感じています。

 あとは個の能力の向上ですね。自分の武器を発揮できる選手。得点感覚であったり、突破のドリブルであったり、相手を置き去りにするスピードだったり、GKのスーパーセーブだったり、競っている試合では最終的には個の能力で試合が決まるということが上に行けば行くほど出てきますのでその部分の向上には力を入れていきたいと思います。

 次回は松商学園サッカー部のセールスポイントや今シーズンの目標などについて紹介する。