桐生第一・田野豪一監督(写真提供=桐生第一サッカー部)

 ベルギー1部リーグで活躍する鈴木武蔵や若月大和(FCシオン)といったプロサッカー選手を数多く輩出している桐生第一。関東大会群馬予選で準優勝し、出場した関東大会では、八千代桐光学園韮崎といった錚々たる顔ぶれを下しBグループを制覇した。そんな強豪校を率いる田野豪一監督に、目指しているサッカーやチームに求める選手などについて話をうかがった。

ーー桐生第一が目指しているサッカーとはどういったところでしょうか?

 基本的にはボールを大事にしたいので、しっかりとボールをつなぎながらというところがあるんですけれども、最近は発展していって、「選手たちがやっていて楽しいサッカー」を重視するようになってきました。「相手にボールを握られたとしてもゲームを支配している」というようなサッカーを目指せたらいいなと思っているところです。

ーーチームに求める選手とはどういった選手ですか?

 まずは「自立」している選手。高卒でプロになる選手を輩出するようになってきたんですけれども、その子たちを見ると、共通しているのが「自立している」という点なんです。それと目指すサッカーとしてボールをつなぎたいので、技術的な部分にもフォーカスしています。

ーー選手のスカウティングやセレクションの際は、どういった点を重要視しますか?

 まず私たちは、チームの組織化に力を注いでいまして、まず桐生大附属中学校があります。さらにもう1つウチのグラウンドで練習をしている前橋SCジュニアユースというチームがあります。ですので、外から選手をスカウトしてくることも重要なんですけれども、まずは内部の育成システムを強化して、「桐一メソッド」を共有した選手を育てるということを重視しています。

 スカウティングのポイントとしては、まずベースは「上手い」選手です。そこから「足が速い」とか「大きい」とか「強い」とかが備わっていればなお良しという感じです。

桐生第一サッカー部・練習中の風景(写真提供=桐生第一サッカー部)

ーー新チームはどんなチームでしょうか?またチームの中心選手を教えてください

 まず昨年からのレギュラーの選手が7~8人くらいいます。その子たちは桐生第一がプリンス関東で戦っているのを見て入って来てくれた子たちなのでレベルが高く、各中学校やユースチームで全国大会に出場しているんです。選手たちの目的意識も「前橋育英さんを倒したい」とか「全国大会で結果を出したい」とか「プロになりたい」などはっきりしているので、非常に期待をしています。

 中心選手としてはMF金沢康太、FW寶船月斗。今年は2人キャプテン制を敷いていて、この2人はキャプテンです。それとMF小林凌大、DF倉上忍辺りが中心としてやってくれるんじゃないかなと思っています。

ーー桐生第一というと基本的には攻撃が好きな選手が多いですよね?

 そうですね、攻撃が好きな選手が多いです。守備が強い選手を獲ろうというよりも、攻撃が好きな選手たちに守備を教えていこうというスタイルです。CBにしても「背が高いから」という理由では起用しないですし、GKにしてもビルドアップができるかできないかで判断したりします。ここはいつも GKコーチとの闘いになるんですけど(笑)。GKコーチとしては「守備力重視」なんですけれども、私は「ビルドアップもできるといいよね」という考えで、どうしてもビルドアップできるGKを起用しがちになります。それだけビルドアップやポゼッションの部分にはこだわっています。