前橋育英 山田耕介監督(写真=松尾祐希)

 新型コロナウイルスの影響で活動休止や大会中止を余儀無くされた高校サッカー界。6月に入り、少しずつ本来の姿を取り戻しつつあり、グラウンドには子供たちの明るい声が響くようになってきた。

 地域によって差はあるが、練習試合なども行なえるようになり、リーグ戦再開についても明るい兆しが見えるようになってきた。年末年始の高校サッカー選手権を目指し、各チームは気持ちを新たにしてリスタートを切っているに違いない。

 群馬県の強豪・前橋育英高も6月から活動を再開し、冬の檜舞台に向けて再び走り始めた。では、どのようにして強化を進めていくのか。山田耕介監督に今後の見通しや今年のチームについて話を聞いた。

ーー活動休止が続きました。高校サッカー選手権に向けて、今後の強化方法について教えてください。

 U-18高円宮杯プレミアリーグが中止となりましたが、プリンスリーグ関東は8月ぐらいから始まる予定となりました。今年はプレミアリーグのチームも参戦するイレギュラーな形になり、昇降格もありません。そうなると、昇格、降格がないので、ハイレベルなゲームの中で色んな選手を試せると考えています。選手にとっては出場機会を得られるチャンスですし、公式戦ではありますが、選手権に向けたトレーニングマッチに近い位置付けになるのではないかと考えています。今までみたいに「絶対に勝点3を取らないといけない」というゲームが少なくなるので、練習で成長の跡を示してくれた選手を試せますよね。また、新しい戦術もチャレンジができるので、今年に限ってはリーグ戦の位置付けが変わるのではないでしょうか。

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