谷幸一朗監督(写真=日大鶴ヶ丘提供)

 “自主創造、真剣力行、和衷協同”の3つを校訓として掲げ、文武両道を実践している日本大学鶴ヶ丘高等学校。部活動の時間にも同校ならではの試みをしている。サッカー部監督として12年目になる谷幸一朗監督に話を聞いた。

――日大鶴ヶ丘高校の監督に就任された経緯を教えてください。

 大学3年生の時から神奈川の日本大学高等学校のコーチをしていて、そのまま大学卒業後、非常勤として2年間勤務しました。その時に、日本大学の採用試験を受け、ご縁があり、日大鶴ヶ丘高校に採用して頂きました。部活は私が就任して部活の監督になるまでは、サッカー経験のある教員が監督としていない状態でした。現在創部54年になりますが、40年近く監督がいない状態でした。そこに私が初めてのサッカー経験のある教員監督として就任しました。2009年でしたので、今から12年前ですね。私が来るまでは、現在の諏訪部総監督が学校に事務課として勤務していた時に部活自体は見ていましたが、私が入る前に異動となってしまいました。そこを引き継いで、今も試合には来て頂きながら一緒にやっています。

――日大鶴ヶ丘高校は文武両道を掲げていますが、サッカー部ではどういった指導をされていますか?

 16時から19時までが部活の時間と決まっていて、卒業後進学する生徒が多いので、テスト前は活動時間が1時間になります。“生徒の主体性を育てる”という事も学校で掲げていて、部活の中でもミッションの一つになります。練習も3時間ありますが、チーム毎に(ローテーションで)2時間練習・1時間勉強という風に時間を当てています。トップ、サテライト1、サテライト2、ルーキーの4チームに分かれていて、勉強の時間は学校の宿題をしたり、各自課題を見つけて活用しています。勉強の時間も主体性を育む時間として、どういう時に何をしなきゃいけないのかを、考えて各自行動してもらっています。選手によっては、その1時間きっちり勉強して、家ではする必要のないっていう選手もいます。部活が終わって家につけば時間も遅いですから、部活の時間に勉強の時間をとってしっかりと勉強もしてもらっています。

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