山梨学院イレブン

 2009年度の決勝。その際は山梨学院が碓井鉄平らの活躍で柴崎岳(レガネス)らを擁した青森山田を下し、初優勝を成し遂げた。あれから11年。両者が再び覇権を争い、高校サッカー選手権決勝の舞台で対峙する。

 初出場で初優勝を成し遂げた09年度以来の決勝に駒を進めた山梨学院は、堅守速攻のスタイルで今大会を勝ち上がってきた。GK熊倉匠(3年)、CB一瀬大寿(3年)を軸にタフな守りを見せ、中盤では谷口航大(2年)らを中心に強度の高いプレスを実行。展開によっては前線の野田武瑠(3年)らが前からボールを奪いにいくことも可能で、相手に合わせて守備のやり方を柔軟に変えられるのも心強い。一方の攻撃はカウンターが最大の武器。推進力を持つ野田、身体の強さが特徴の久保壮輝(3年)が前線で起点となり、サイドハーフの広澤灯喜(3年)、新井爽太(3年)がスピードを生かした仕掛けでチャンスを作り出す。また、ベンチに流れを変える切り札が控えているのもチームのストロングポイント。状況が膠着すれば、スピードが自慢の茂木秀人イファイン(2年)、創造性豊かなレフティ・笹沼航紀(3年)が攻撃に変化をもたらす。そして、今年の山梨学院を語る上で忘れてはいけないのがセットプレーだ。FK、CKはもちろん、新井が繰り出すロングスローも迫力満点。準決勝の帝京長岡戦では187cmの一瀬が高打点のヘッドでゴールを陥れるなど、全国クラスの相手にも十分通用する代物だ。

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▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権