MF正木浩輔(大手前高松/3年)写真=森田将義

MF正木浩輔(大手前高松/3年)
 大手前高松の代名詞になりつつあるのが、ロングスローだ。初出場となった昨年度の選手権では、MF滝平昂也(現・高松大)が放った50m強のロングスローから決勝点を奪い、初勝利を達成。2度目の出場となる今年も、MF正木浩輔(3年)の強肩が目を惹く。

 ピッチ内でボールを持った時の持ち味は、サイドから繰り出す正確なクロス。元々、ロングスローは「そこまで投げられるとは思っていなかった」が、「2年生の終わり頃から自分でも”飛んでいるな”と思うようになった」。そこからは、「スローインも投げるし、点も獲れる選手」を目指し、筋トレを続けた。その結果、PAの手前だった飛距離は、ペナルティーマーク付近まで飛ぶようになった。クロスにパス、シュートに加え、スローインもと今年の正木はピッチをフル稼働しているため、「人の倍、疲労を感じる」。予選準決勝の寒川戦は、ロングスローを投げすぎて、次の日は肩が上がらなくなるほどだったが、チームの勝利の為に、正木は奮闘を続ける。

 昨年の選手権では、2回戦で矢板中央と対戦。「相手はデカくて、やる前から圧を感じた。『勝てるんかな?』という不安な気持ちになっていた。実際にやってみると、チャンスがなかったわけでない。デカい相手に勝つには、一工夫が必要と気付いた」。2度目のチャレンジとなる今年の選手権では、昨年以上の存在感を放つ正木から目が離せない。

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