王座奪還を目論む市立船橋

 真夏の高校日本一を決める全国高校サッカーインターハイは大会3日目までの全日程を終了。灼熱の兵庫で繰り広げられたここまでの熱戦模様を振り返る。!

■前回大会優勝の東福岡ら注目校が8強に名乗り。

 史上7校目の連覇へ挑む東福岡(福岡)は着実にその歩みを進め順当に8強入り。初戦となった2回戦の四日市中央工(三重)戦では、開始早々出鼻を挫かれ1点のビハインドを背負うも、MF三宅海斗、MF中村健人らのゴールで4対1の逆転劇。続く3回戦でも昨冬選手権4強の日大藤沢(神奈川)を2対1で退け、準々決勝進出を果たした。

 王座奪還を目論む市立船橋(千葉)も2大会ぶりの8強入り。岡山学芸館(岡山)、尚志(福島)を破り迎えた3回戦では、ここまで桐光学園(神奈川)、青森山田(青森)といった優勝候補を連破した久御山(京都)に4対2で勝利。今大会のダークオースとなった京都代表をFW矢村健、MF椎橋慧也らのゴールで一蹴し準々決勝へと駒を進めた。

 8年ぶりの全国総体に臨む関東一(東京)は難敵を次々と撃破し同校史上初の8強入り。初戦で中京大中京(愛知)、2回戦で清水桜が丘(静岡)と、東海地区を代表する強豪を連破し、迎えた3回戦大津(熊本)戦は圧巻の逆転勝利。前回大会準優勝校相手に前半1点のビハインドを背負うも後半、MF鈴木隼平のハットトリックとFW岡崎仁太朗の3戦連発となるダメ押し弾で勝負を決めた。

 その他、09年準優勝の再現を狙う米子北(鳥取)や過去2度4強入りの立正大淞南(島根)、開催県代表の滝川第二(兵庫)らが準々決勝進出。精鋭8校が出揃った今大会、戦いはいよいよ佳境へと突入する。

■有力校早期敗退の波乱も散見。

 U-18日本代表FW小川航基が注目を集めた桐光学園(神奈川)は優勝候補に挙げられながらも初戦で敗退。MF山本蓮らこちらも好選手を擁した久御山を相手に小川の2ゴールでリードを奪うも、後半追いつかれPK戦の末涙を飲んだ。また、05年準優勝校の青森山田(青森)もシードを得て迎えた2回戦で同じく久御山に敗戦。来季のJクラブ入りが内定しているDF常田克人、MF神谷優太が共に不発に終わりチームも痛恨の逆転負け。大きな期待を背負って挑んだ“東北の雄”は昨冬選手権に続く初戦敗退となり、早々と大会を去ることに。

 その他、U-18日本代表コンビ、DF野田裕喜とFW一美和成の2人が注目を集めた前回大会準優勝の大津は悲願の日本一を目指すも、関東一の前に3回戦敗退。さらに08年度以来の優勝を目指した流通経済大柏(千葉)は2回戦で履正社(大阪)に、県内3冠を引っ提げ2年連続の全国に登場した西武台(埼玉)は2回戦で米子北に惜敗し敗退となった。

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