第93回全国高校サッカー選手権大会開幕戦
【都立三鷹vs東福岡】

日時:12月30日 14:05kick off
場所:駒沢陸上競技場

-展望-
 総体との2冠を狙う東福岡に大混戦の東京を突破した都立三鷹中等教育学校が挑む一戦。予選の戦いぶりからしても「攻」の東福岡と「守」の都立三鷹中等教育学校という構図である見方が強い。東福岡は最大の強みである攻撃力を存分に活かす3-4-3のシステムが濃厚。総合力で上回るチームの中で右MF増山朝陽、左MF赤木翼と他のチームも羨む両ウイングが君臨するサイドの攻防は絶対に譲れないところ。さらに中盤、最終ラインを見渡しても穴が見受けられないチームは攻守において圧倒できる力を持つ。しかし中盤に厚みを持たせ、総体王者が繰り出す攻撃への対抗を狙う4-5-1の布陣、都立三鷹中等教育学校の出方次第では面白い攻防が見られそうだ。中央では常に数的優位の状況を作り出しながら守備的MF堀田将弘やCB湯浅辰哉を中心に両サイドのカバーリング、アタッキングサードへのプレスを徹底することができれば勝機も見えてくる。攻撃においては高いポジショニングが特徴的な東福岡の両ウイングの裏のスペースをチームの得点源である左MF巽健らが有効に活用していきたい。

 また加えて注目されるのは勝敗を左右するであろう2つのポイント。1つ目には「先制点の行方」を挙げたい。今大会ファーストゴールを叩き出すのはどちらのチームか。より早い時間帯での先制点が欲しいのは東福岡だろう。ターゲットの中心をCF木藤舜介に定め、立ち上がりから積極的に前線への推進力を高めたい。比較的早い時間帯の先制点奪取でスムーズな試合運びの展開を目指す。対する都立三鷹中等教育学校は慎重に慎重を重ねる立ち上がりが必要。前半は0対0で御の字、凌いで後半勝負が理想となるだろう。守備重視の姿勢が強く映し出されそうな前半はカウンターから先制点の好機を探っていきたい。

 続いて2つ目の注目ポイントは「両チームの背番号“10”」。東福岡の10番は言わずと知れた今大会の主役候補であるMF中島賢星。中盤の位置から攻撃のタクトを揮うゲームメーカーとしての役割に加え、ポイントゲッターとしても期待される絶対的エースは確実にマークが厳しくなる中で違いを見せつけることはできるのか。総体王者として当然の勝利が求められる開幕戦、大きなプレッシャーを感じるチームの主将は精神的支柱としても浮沈の鍵を握る。対する都立三鷹中等教育学校10番FW長島潤也は攻守両面での貢献が求められるキープレーヤーの一人。攻撃面ではCFとして小柄ながらも身体を張ったプレーで前線にタメを作ることができる貴重な存在。守備面では決して厭わない献身的なハードワークを継続することができる選手。迎える開幕戦では高い位置からのハイプレスを披露し、マイボール時には積極的にボールサイドに顔を出しながらカウンターの起点となりたい。

 “赤い彗星”vs“都立の星”。全国の高校サッカーファンが注目する開幕戦、大舞台に立つことを許された両者が織りなす好ゲームに期待が高まる。

▽選手権データ
都立三鷹中等教育学校
■年、回数:7年ぶり2回目
■結果:全5試合10得点3失点
■決勝:vs堀越3対1
■選手権における最高成績:8強(07年度)
■監督:佐々木雅規
■部員数:54名
■主なOB:岡島清延(元浦和レッドダイヤモンズ)

東福岡
■年、回数:2年連続16回目
■結果:全4試合20得点2失点
■決勝:vs九州国際大付1対0
■選手権における最高成績:優勝(97年度、98年度)
■監督:森重潤也
■部員数:268
■主なOB:長友佑都(インテル・ミラノ)、本山雅志(鹿島アントラーズ)

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