本格的な新チーム始動が目立つ高校サッカー界。高校サッカードットコムでは新シーズンに飛躍を見据える全国の強豪校を紹介する。

【vol.21市立浦和(埼玉)】
 県内屈指の進学校として文武両道を掲げる公立高校にあって、サッカー部はこれまで数々のタイトルを手にしてきた。01年のさいたま市誕生に伴う校名変更以前、浦和市立時代には選手権優勝4回、国民体育大会優勝3回、総体優勝1回と計8度の全国制覇。迎える2015年は9度目の日本一を懸けた挑戦となる。

 埼玉県内で存在感を示し続ける彼らのスタイルは、攻撃は最大の防御であると言わんばかりの「攻め勝つ」サッカー。高い位置から圧力を掛け、次々と攻撃を繰り出すサッカーは毎年のようにライバルたちにとって大きな脅威となってきた。振り返れば2013年選手権埼玉県大会決勝、正智深谷との大一番。FWオナイウ阿道(現ジェフユナイテッド千葉)を擁し、こちらも攻撃力を売りとしてきた正智深谷に対し、市立浦和はそれを上回る攻撃的姿勢で対抗。池田一義監督はスタメンにFW登録の選手5人を並べるとこの起用が功を奏し、市立浦和は競り勝って5年ぶりの全国出場を決めた。チームの伝統的なテーマとして掲げられる「攻め勝つ」姿勢の一貫が生んだ好結果であった。

【次のページ】 目指すのは「埼玉王座奪還」と「全国制覇」の2つ