後半開始のホイッスルが鳴りやまないうちから前橋育英が仕掛ける。青柳燎汰がDFを背負いシュートを放とうとするが星稜DF陣はこれを落ち着いて対処。

 後半8分、前橋育英GK吉田舜からの正確なロングフィードが今大会初スタメンの野口竜彦に届く。野口は難しいバランスから左足を振りぬき、ボールはゴールへ吸い込まれるようにしてネットを揺らした。前橋育英が同点に追いつく。
 さらにその直後10分、左サイドでボールを受けた渡邉凌磨が切り替えし、柔らかいながらもキレの良いミドルシュートをゴールに突き刺し逆転に成功。エースの今大会初ゴールであっという間に逆転に成功する。

 逆転を許した星稜だったがそう簡単には譲らない。後半19分、右サイドから大田賢生がクロスを上げると、ゴール前で待ち構えていた原田亘が頭で合わせ同点に追いつく。

 その後は一進一退、激しい攻防が続く。39分には星稜はCKから戻したところを大田が狙うがGK吉田がギリギリで触りゴールポストを直撃、ゴールならず。前橋育英は44分、右サイドからのクロスを受けた渡邉凌磨がシュート。これはGK坂口璃久が抑える。
 両校とも攻め込むものの決められず後半終了。優勝の行方は延長戦に持ち込まれる。 延長に入り前橋育英が攻め込む中だったが、星稜が一瞬の隙を突く。前半5分、DFを引きずりながら森山泰希が前を向きシュート。ゴールを決め、星稜が3対2とリードを奪う。

 延長後半2分、前橋育英はCKから青柳がヘッドで合わせるも枠の上。なんとか追いつこうと前へと足を動かす。しかし延長9分、またも森山がゴールを決め4対2と粘る前橋育英を突き放す。そしてこのまま試合は終了。昨年の悔しさを知るチーム・星稜が2年連続の挑戦で初優勝。悲願の全国制覇を果たした。敗れた前橋育英は群馬県勢初の優勝はならなかったが、チームの歴史を塗り替える準優勝。次は優勝を目指しての新たな戦いが始まる。