決勝ゴールを決めたFW水永直太朗(写真=矢島公彦)

 

 攻守にわたりデュエルを全面に押し立てる矢板中央、アグレッシブな守備から速い攻撃を志向する東海大仰星というお互い「らしさ」を感じさせる前半において、最初に決定機を迎えたのは東海大仰星。12分に11小林がドリブルで仕掛けたこぼれ球に9水永が反応しゴール左へわずかにはずれるシュートを放つと、17分には9水永、11小林が続け様にシュート。が、これは矢板中央GK1大渕の好セーブに阻まれる。

 一方の矢板中央はロングカウンターとアーリークロスで応戦。特に9山下の高速ドリブルと思い切ったシュートは東海大仰星守備陣の肝を冷やすものだった。

 スコアレスで迎えた後半も前半と構図は変わらず。その中でも東海大仰星のエースはわずかなスキを狙っていた。迎えた46分、右サイド深くでボールを保持した7中本がルックアップした際、PA内のスペースを見つけた9水永はスルーパスに鋭く反応。「練習でやってきたことができた」後、すさかず右足で流し込んだ大阪府大会から通算して7点目のゴールは、重い雰囲気を吹き飛ばす値千金の先制点となった。

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▽第102回全国高校サッカー選手権
第102回全国高校サッカー選手権