東海大高輪台のMF柳本華弥は巧みなパスセンスで攻撃を組み立てた(写真=多田哲平)

 深町公一監督は試合後に明かす。

 「ボールを落ち着かせて幅を使うサッカーを今年はやってきたつもりだが、立ち上がりは前に急ぎすぎてしまった。前半は守備も消極的でボールを奪う機会があまりなかった。ハーフタイムには当たり前の相手との間合いなどを調整し、ボールを奪って前に出ようと。後半の途中から、前線のチェイシングで高い位置で奪う機会が増えましたね」

 指揮官がそう話した通り、後半は、MF6石井海翔(3年)とMF10柳本華弥(3年)の2ボランチを起点に展開してくる東海大高輪台の攻撃の芽を出足の素早い寄せで摘み取ると、MF8牧山翔汰(3年)の抜け出しなどを軸としながら鋭いショートカウンターを度々仕掛けていった。

 ジワリジワリと相手を押し込んでいくと、待望の同点弾が生まれたのは64分だった。ロングスローの流れからMF7松田昊輝(2年)のパスに合わせてペナルティエリアに抜け出たMF6古澤友麻(2年)が左足を一閃。ここまで運動量豊富に攻守に走り続けていたボランチが強烈な一発をゴールに打ち込んでみせた。

 ただし、その後は逆転弾を狙って攻勢を強めたもののゴールは割れず。10分ハーフの延長戦に突入しても、東海大高輪台の集中した守備を崩しきるには至らず計100分を戦い切って1-1の同点に。

 勝負が委ねられたPK戦では相手の3本目のキックをGK17宮崎幹広(2年)が渾身のセーブ。対してキッカーは5人全員が成功し、トータル5-4で勝ち切った。

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