ただ、高知中央・近藤健一朗監督はここで素早く手を打つ。相手DFライン背後への飛び出しが少ないとみるや、27分には早くもFWの位置にポストプレータイプの高田に代わり近藤丈瑠(2年)を投入。そのベンチワークは30分に実を結ぶ。

 自陣左サイドまで下がりボールを回収した中西から浮き球パスを受けた鎌倉が、一瞬相手DFラインにできたギャップを突くスルーパスを供給すると、そこに走り込んでいたのは先ほどピッチに入ったばかりの近藤。一直線にドリブルを仕掛け、GK光家が飛び出すタイミングを見計らって放ったグラウンダーのシュートは右サイドネットへ突き刺さり、高知中央が先制。

 かくして、ようやく苦しみから解き放たれた高知中央はその後も落ち着いて試合を進め、前半をそのまま1点リードで折り返した。

 後半に入ると試合は再び一進一退の構図に。「ゴールシーンでは相手の中間ポジションを取れたが、普段から球際の部分は指導しているとはいえ、あまりにそこで勝負し過ぎてしまった」と高知中央・近藤監督が振り返ったように、高松工芸がやみくもに布陣を変えなかったことでデュエルが各所で発生。終盤になると高松工芸がゴール前に迫るシーンもあった。

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▽令和4年度四国高等学校サッカー選手権大会
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