昌平 vs 東京成徳大深谷(写真=河野正)

 初の決勝に進出した東京成徳大深谷は、なかなか決定的な形をつくれず、前半は2本のシュートしか打てなかった。それでも初のインターハイに懸ける強い気持ちを後半に出すと、9分に反撃開始の得点を奪う。2トップがゴール前に迫り、その一角のFW平井心瑛(2年)のドリブルから絶好の形を迎え、トップ下のMF和光翔夢(3年)が、セカンドボールに素早く反応し豪快に決めた。

 しかしこの後も左SB鈴木嵐(2年)のロングスローなどで好機を迎えたが、昌平の守備ラインとその1列前の圧力に遭ってビッグチャンスを築けず、肝心のもう1点が遠かった。

 藤島監督は「相手のプレスの掛け方がうまく、ドリブルで仕掛けにくかった」と話したが、ロングスローについては「プリンスリーグの矢板中央高戦で経験済みです」と涼しい顔。目下プリンスリーグ関東1部で暫定首位の昌平は、5月22日の第4節で対戦し、3-1で快勝した。これには主将のCB津久井佳祐(3年)も「矢板中央はもっとすごい。ゴール(のバー)を超えて飛んできますからね。あの試合を経験できて良かったです」と説明した。

 3大会ぶりのインターハイ。藤島監督は「昌平らしさと言われる中、力強さや個の打開力(がどこまで通じるか)が楽しみです」とだけ述べ、具体的な目標については口にしなかったが、全国での初タイトルを視野に入れていることは間違いない。

(文・写真=河野正)

▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)埼玉予選
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