準決勝 習志野 vs 専大松戸

習志野もMF田代暖眞のゴールで一矢報いた(写真＝多田哲平)

　「僕らは攻撃のチームだから、のびのび創造性を出してやりたかった。後半は自分たちらしさを出せたんじゃないかなと」(野村監督)

　FW9塚越幹太(3年)が力強い突破で敵陣を切り裂けば、アンカーのMF6池田颯馬(3年)もミドルシュートで攻撃参加。またFW10南徹汰(3年)は機を見た抜け出しと確かなボールスキルでアクセントを加えた。

　そうした個性が噛み合った時のハイテンポで多彩な攻撃は圧巻だった。

　51分に相手MF7田代暖眞(3年)に同点弾を許したものの、その5分後の56分、左サイドからのクロスのこぼれ球に志賀が合わせて再びリードを得る。波に乗りかけていた相手の出端を挫いた意味でも、値千金のゴールだった。

　その後も専大松戸は、攻め手を緩めない。

　追加点が生まれたのは66分。右サイドを突破したMF8石井康太(3年)のクロスに合わせて、チームにさらなる勢いをもたらしたのは、またしても志賀だ。ボールの真芯を捉えたボレーシュートは鮮やかな弾道を描きながらゴール右隅に突き刺さった。ゴラッソとも言える高度なシュートテクニックに、会場では驚きの声が挙がった。

　専大松戸はその後、交代カードを切りながら流れを変えようと試みる習志野の攻撃をシャットアウト。反撃を許さず、3-1で勝ち切った。

　見事に勝利を収めたチームは5月10日、日体大柏との決勝に臨む。

　一方で習志野は惜しくも敗れ、関東大会への切符を逃した。それでも執念を見せて一矢報いた田代、その得点シーンなどで鋭いドリブルを度々見せたFW24山本勇翔(3年)は印象的で、また松村のテクニックも相手の脅威となっていた。

(文・写真＝多田哲平)