瓊浦 vs 九州文化学園(写真=藤原裕久)

 有光亮太監督にとって「イレギュラーだった」という津島の負傷交代があった九州文化学園だが、後半もボールを持って優勢にゲームを展開。後半3分には山本統介が強烈なミドルシュートを放つが、これは瓊浦のGK古賀竜希が弾き出しノーゴール。その後も、宮本真大や梅野哉大ら中盤の選手が流動的に動いて瓊浦ゴールへ迫っていく。

 この劣勢をしのいだ瓊浦は、後半10分にショートカウンターへ持ち込み榎田がゴール。九州文化学園ペースの中で得点を奪い勢いを得た瓊浦は、この後も続く九州文化学園の攻撃を弾き返してはカウンターに持ち込むしたたかさを発揮。九州文化学園は攻めても得点の奪えない時間が続くが、後半30分に瓊浦のゴール前でのクリアボールがこぼれたところを、桐原吟がシュート。これが決まって九州文化学園が土壇場で試合を振り出しに戻す。

 1-1で迎えた延長戦、追いつかれて苦しくなった瓊浦だが、延長前半3分に再び速攻から丸林賢起がクロスに持ち込み、最後は井上樹也が勝ち越し弾。直後に川村太地を投入し、高さのある榎田も後方に下がらせて守りを重視し、試合を締めに入っていく。これに対して、小川とカンがサイドに開きながら攻めていく九州文化学園の攻撃が実ったのは、延長後半の残り5分。左サイドを突破したカンが切り返してからゴール前へクロス。このボールを受けた宮本がドリブルからシュートへ持ち込み、再び同点とすることに成功。試合は2-2のまま延長戦を終了し決着はPK戦へなだれこんでいく。

 双方最初の1人が成功させたPK戦では、九州文化学園のGK濱田悠太が奮戦。コースを読み切った上で抜群の反応を見せて、瓊浦のキックを2本ストップする。しかし九州文化学園、2人目の梅野と3人目の中務大暉のシュートはバーの上。さらに2-2で迎えた5人目のキッカー桐原のシュートも瓊浦GK古賀がストップと、この日の九州文化学園はPKが絶不調。対する瓊浦は、5人目のキッカー山﨑晴が落ち着いてシュートを決めて試合を終了。2度追いつかれながらも最後の最後に突き放した瓊浦が3回戦に進出した。

(文・写真=藤原裕久)

▽令和2年度長崎県高等学校新人体育大会
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