PK戦はひとつ織り込み済みのプランだったという。そしてこの戦い方ができたのもGK木暮希の存在というのも大きいだろう。背番号1は2回戦でもPKを3本セーブするなどのっていった。

 1点ビハインドで迎えた相手の4本目、「1本目から相手のキックがすごくうまいというのはわかっていた。下手に飛んだら届かないと思ったので、しっかり思い切って飛びました」と木暮。

 実際にシュートはコースついた中で守護神はこれを指先で弾き出し、土壇場でスコアをタイに戻して大きくガッツポーズ。5本目は「しっかり先に声で威嚇したり、自分が自信を持ってやることで、相手もプレッシャーを感じると思うので、自分が止められるという自信を持ってやりました」。すると木暮の気合いが通じたのか、相手のミスキックを誘い逆転での勝利を引き寄せた。

 勝利を決めた直後は仲間に向かって駆け出す中で、「自分もPK戦は自信を持ってやってはいるんですけど、負けるかもしれないという不安の中でやっているので、みんなが来てくれた時の安心感というか、そういうのがすごく大きくて、ちょっと涙ぐんだところもあった」と明かした。

 またもうひとつのファインプレーとなったのが2本目の場面。味方が先に外し、膝をついている中で木暮はすぐに駆け寄ると肩を支え「しっかり止めるから大丈夫だよ」と声をかけたという。

 岡本孝夫監督は「(彼の買っているポイントは)明るさ。真面目すぎて変に自分を責めてしまうところもあるんですけど、彼の声がやっぱりいろいろな選手に勇気を与えているというのは事実だと思うので、あの明るさはすごく大切なチームの要素かなと思います」と木暮を評価する。

 本人は「よくうるさいと言われるんですけど」と笑うが、この彼の持ち前のキャラクターである「明るさ」が仲間たちを鼓舞し、その後の全員成功に繋がったという部分も少なくないだろう。

 「これからもっときつい試合になっていくと思うんですけど、学校の先生やいろいろな人が協力してくれてここまで来させてもらっているので、しっかり学校に良い報告ができるように、どんな相手でも自分たちのサッカーをやって勝ちに行きたいと思います」と木暮。2次トーナメントでも彼が後方から出す声、そして「明るさ」はチームが辛い時に仲間に勇気を与えるはずだ。

記事提供:埼玉サッカー通信・石黒登

▽第99回全国高校サッカー選手権埼玉予選
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