都立鷺宮 vs 淑徳巣鴨

 立ち上がりから一進一退の攻防が続いた一戦は、激しい局地戦が繰り広げられていった。MF10有野和希のロングスローやブレースキック、さらにMF9河合智サイドアタックなど多彩な攻撃を見せる都立鷺宮に、淑徳巣鴨が粘り強く対応していく。

 淑徳巣鴨は2分にMF23森谷雄介のシュートチャンスを作り出し、一方の都立鷺宮は11分に左サイドを連係で崩し、MF11馬場陸のフィニッシュにつなげる。ただし、お互いにゴール前への侵入を許さない拮抗した試合展開となり、前半の決定的と言えるチャンスはこの2本程度だった。

 後半に入るとややオープンに。攻勢を強めたのは都立鷺宮だ。後半6分にはFW11平石竜聖の鋭い抜け出しから、7分には途中出場のMF16田邉陽基がシュートを放ち、8分にもCKからゴールを狙う。さらに10分、15分、16分と立て続けに猛攻を仕掛けていき、淑徳巣鴨ゴールを脅かしていった。

 それでも淑徳巣鴨のディフェンスは堅かった。DF19吉見奏人ら守備陣の奮闘でしぶとく都立鷺宮の攻撃を撥ね返していく。後半の途中には長身のDF3長倉奎斗が怪我で途中交代するアクシデントに見舞われながらも、高い集中力をキープしていた。

 すると、終盤に差し掛かった後半35分、そんな守備陣の奮闘に応えるように、淑徳巣鴨の攻撃陣が躍動する。カウンターから一気に右サイドのMF7牧野直紀が駆け上がり、クロスを供給。これにFW10柏原翔太が滑り込んで合わせ、劇的な勝ち越しゴールを奪うのだ。

 そのまま淑徳巣鴨は完封に成功。勝負強く勝ち切り、見事に1回戦を突破してみせた。

(文・写真=編集部)

▽第99回全国高校サッカー選手権東京予選
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