敗退した久御山(写真=雨堤俊祐)

  今年から今川宣久監督が復帰。闘志あふれる指揮官はこの日もベンチから大きな声で指示を飛ばし、時に荒ぶりながらも選手たちの士気を高め続けた。福田は「ガムシャラに最後まで走り続けることは、今川監督になってから徹底してきた」とハードワークに自信をのぞかせる。久御山のような高い技術はなくても、運動量と闘争心を前面に押し出して戦い続けるチームだ。

  印象的な場面がある。リザーブ選手が交代でピッチに入った際、先発していた選手から「○○(選手名)、1回思いっきり叫んどけ!」と大きな声が飛んだ。そして交代選手が「ここからや!行くぞ行くぞ!」と激を飛ばすと、それに呼応するかのようにチームメイトがピッチ上の至る所から次々と声を張り上げていった。泥臭く、粘り強く、最後まで諦めない。「それがないと(監督に)戻った値打ちがないよね。彼らには大事なものを伝えたい」(今川監督)と話す。

 準決勝の相手は京都橘だ。福田は「京都橘という王者に挑めるのは嬉しい。負けに行くわけじゃない、勝ちに行きます」と意気込む。指揮官は「ベスト4の中で、うちが一番弱いんちゃいますか」とおどけた後に「だから面白くしますよ。99対1くらいの差があるけれど、それをどう詰めていくのか」と不適な笑みを浮かべた。

(文・写真=雨堤俊祐)

▽第99回全国高校サッカー選手権京都予選
第99回全国高校サッカー選手権京都予選