その20番・リャンヒョンシュとともに2トップを組む11番が攻撃の中心となる東京朝鮮はサイドを上手く使った攻撃があまり見られず、強引な中央突破が目立つ前半となった。それでも11番のポストプレーが効果的で、徐々に前線への圧力を強めていくと36分に待望の同点ゴール。右CKのチャンスに10番が精度の高いボールを送ると、ファーサイドで20・リャンヒョンシュ番がヘッドで合わせ試合を振り出しに戻した。

 追いつかれた堀越は前半を通して決定力不足に泣いた。得点数はT1リーグで10チーム中8位という成績に表われているように、度重なるチャンスを活かせない。幾度か、GKとの1対1のビックチャンスを決めきることができないなど、得点力不足を露呈する象徴的なシーンが目立った。

 両チーム前線からのハイプレッシャーとロングカウンターが際立った前半。1対1で勝負の後半45分を迎える。

  後半、まずは堀越が攻め込む。ボランチの6番・石上輝が左サイドでプレーする機会が増え、サイドからチャンスが生まれる。51分、カウンターから左サイドで9番・吉田碧橙がボールを持つと、6番・石上輝が追い越す動きを見せ、スペースでボールを受ける。縦へのドリブルから低いクロスを送るも僅かに合わず、ゴールとはならなかった。

 それでもサイド攻撃が活性化され、得点の匂いが漂う中迎えた62分、中盤で繋ぎ右サイドを上がってきた10番・橋本拓巳へ展開すると、そこからグランダーのクロスが上がる。そのボールにファーサイドで9番・吉田碧橙が上手く合わせゴールネットを揺らした。両サイドの選手が連動し、DFを崩しきった良い形から生まれた勝ち越しゴールであった。

  しかし1点のリードを許した東京朝鮮中高級学校も食い下がる。74分、ゴール前やや右寄りの位置で獲得した直接FKのチャンスにキッカーは10番・リキョンチョル。その左足から放たれたシュートは綺麗な弧を描き、壁を越えてゴールへと突き刺さった。

 2対2の同点。前回顔を合わせた第4節では2対2の引き分けに終わり、勝ち点1を分け合った両チーム。この試合でもここまで互いに譲らない接戦を演じたが試合終盤、前回の対戦では見ることができなかった勝ち越しの3点目が生まれた。

 76分、堀越は6番・石上輝がゴール前中央から自ら左へとドリブルで持ち出してシュート。シュートコースが限られる難しい位置から豪快に蹴り込んで3対2と勝ち越しに成功した。

 残り時間が限られるにつれ東京朝鮮中高級学校が攻め込む時間が増える。しかし前線で体を張っていたFW11番がベンチに退いてから思うように攻撃を仕掛けることができない状況が続いた。89分には、この試合1ゴールの10番・リキョンチョルが直接FKで見せ場を作り、ゴールを脅かすも追いつくことはできず。逆に90分、堀越がカウンターから左サイドでチャンスを作り最後は途中出場の15番・北田大祐がダメ押しゴールを奪い、試合を決定づける4点目

 そのまま試合終了を迎えたこの試合は4対2で堀越が勝利。残留を争うライバル相手に大きな勝ち点3を獲得した。

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