一進一退の攻防が続き0対0で前半を終えると、迎えた後半両チーム共に攻撃的な試合を展開する。後半に入り「シンプルにやろう」という指示の中で、細かくパスを繋いだ前半に比べ簡単に前へとボールを入れる形が増えた成立学園。48分左MF7番のアーリークロスに11番がフリーでヘディングシュートを放つもミートせず。54分には、中央のバイタルエリアを上手く突いた9番がボールを受け、左足からミドルシュートを放つが枠を捕えきれない。

 前半から積極的な攻撃参加を繰り返していた右SB吉田が、比較的高いポジションを取りながら攻め込むことで帝京の左サイドは守備に追われる時間が長くなる。しかし、反対に成立学園の右サイドが上がったスペースを突くことができれば当然帝京のチャンスになる。このタッチライン際での攻防は非常に見応えがあった。

 迫力ある成立学園の右サイドからの攻撃に耐えると、少しずつ帝京もチャンスを作り出す。66分には左SB13番が上がりミドルシュートを放つなど攻撃的な姿勢を見せると、続く70分には左サイドをドリブルで持ち込みゴール前へマイナスのパスを送ると11番がフリーで狙うもGKの好セーブの前に決定機を活かせなかった。それでも押し込む時間帯が続く77分、ピッチ中央付近でFKを得ると、ゴール前へ放り込んだボールに対し、成立学園DFがヘッドでの処理を誤りまさかのオウンゴール。運も味方に付けた帝京が先制点を奪った。

 60分頃からやや劣勢の試合展開となった成立学園は63分に総体で大活躍を見せたMF上田悠起を含む3人の攻撃的な選手を同時に投入する積極策で打開を図るも実らず、まさかの形で先制を許し追う立場となってしまった。途中出場のMF上田を起点に前への推進力を高めていくがなかなかシュートチャンスを作り出せず。終盤には競り合いで強さを発揮するCB4番を前線へ上げて同点ゴールへの執念を見せるも最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。

 結局オウンゴールによる1点を守り切った帝京が1対0で勝利。接戦の末、成立学園を下して勝ち点を21まで伸ばす結果となった。

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