後半になると選手交代もあり両者共により一層攻撃に勢いを出していく。55分、大商学園は投入されたばかりの14番MF田村光希(3年)を起点に敵陣地に侵入し、6番MF橋村信哉(3年)にボールが渡りシュートを放つも賢明学院の24番DF尾崎壮(3年)が体を張ってゴールを守る。直後の56分、大商学園に再びチャンス。10番MF高森大空(3年)が前線でボールをキープし、サポートに入った14番MF田村光希(3年)が高森の落しをシュートするもボールは惜しくもバーに当たり、その跳ね返りを8番MF船ケ山陸斗(3年)が更にシュートを放つもこれは枠外。大商学園は決定機を逃す。賢明学院のキャプテン3番DF田里武蔵(3年)はチームに激を飛ばし、もう一度チームの士気を高め1点をとりにかかる。すると63分、賢明学院の28番攻撃的MF田代龍之介(2年)のスルーパスに反応し抜け出した29番FW杉村晋作(1年)がクロスを上げ、23番MF辻村秀斗(2年)がシュートを打つも、大商学園のディフェンス陣が必死に守りこれも得点にはならず。その後も両チーム点を取りに行くものの、得点には至らず後半を0-0のまま終了し、決着はPK戦に委ねられることになった。ここでは大商学園が4人目までキックを成功させたのに対し、1人目が失敗していた賢明学院は5人目のキッカーがシュートを外し勝負あり。大商学園が4-3でPK戦を制した。

勝利した大商学園の指揮官は「攻め込む時間もあるが、賢明学院は能力が高く力もあるので最後は気持ちで勝てた事がすごく大きかった。(その中で良かったところは)能力の高い賢明学院とやる中で1対1では負けるかもしれないが、それでもチームで助け合い力を合わせれば勝てると信じ、その為に戦術より気持ちを一つにした事が最後は勝ちに繋がったと思います。(次節に向けては)私たちはずっとチャレンジャー。これから強豪校が出てくるので、チームで助け合ってチーム力でもっと上へ上がっていきたいと思います」と話した。勝利した大商学園は6回戦で近大附と対戦する。

(文・写真=谷口一樹)

▽第98回全国高校サッカー選手権大阪予選
第98回全国高校サッカー選手権大阪予選