後半、エンドが変わり富山第一が風上に立つも立正大淞南はリードしていることで無理することなくボールを前に蹴り、時折山田真夏斗がフリーでボールを受けるとリズムが変わりチャンスに発展。立正大淞南が狙い通りの展開で時間を使っていく。苦しい展開となった富山第一だったが58分、ロングスローを入れると相手クリアがオウンゴールとなり幸運な形で1−1の同点に追いつく。追いつかれた立正大淞南だったが67分、相手DFがクリアしようとしたところをカットし、そのボールを拾った13番FW伴木翔が豪快にゴールに蹴りこみ再び勝ち越しに成功する。追い込まれた富山第一だったが土壇場で粘りを見せる。78分、11番FW碓井聖生が右サイドからの浮き玉クロスにファーサイドでダイレクトボレーで合わせると、強烈なシュートはGKの手を弾きゴールイン。更に勝ち越しを狙う富山第一だったが、アディッショナルタイムに迎えた決定機はクロスバーに弾かれ勝ち越しはならず。2−2のまま試合はPK戦に突入した。

PK戦は両者譲らず同点のまま5人目、先行富山第一が成功しむかえた後攻立正大淞南のキックが無情にもポストに弾かれ勝負あり。夏準Vの富山第一が苦しみながらもPK戦で初戦を突破することとなった。勝利した富山第一は2回戦に進出し、1月2日浦和駒場スタジアムで神村学園(鹿児島)と対戦する。

(文・写真=会田健司)

▽第98回全国高校サッカー選手権大会
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