対する大津はリスクを避けるため福島からの大きな展開を多用したが、前半終了間際からコンビネーションによる崩しや特徴である推進力溢れる仕掛けが増加。昌平ゴールに襲い掛かる回数が増えた。後半3分には右サイドのMF松原亘紀から中央のMF水野雄太を経由し、ピッチを横断。DF西原大地のクロスをFW大竹悠聖が頭で落とし、最後は水野が合わせたが、シュートは枠を捉えることができない。22分にも西原の右クロスをFW奥原零偉が頭で合わせたが、クロスバーに阻まれゴールとはならず。平岡和徳総監督は「後半に2つ3つは決めたかった。PKになる前もヘディングシュートを決めていれば、あんな展開にはなってない」と悔やんだ。

運も味方し、無失点で試合を進めた昌平にもチャンスが訪れる。「中盤ではボールが持てるけど、最後はできない印象があったけど、後半になってからは結構空き始めた」と振り返るMF原田虹輝を中心に自由にボールを持てる場面が増加。特にボランチの位置から素早いドリブルを仕掛けた原田や途中から入ったFW大和海里のテクニカルな突破に大津は苦しんだ。そうした成果が表れたのは後半23分の場面だ。後方から持ち上がった原田がPA左からゴール前にパスを展開すると、相手DFのハンドを誘発。このチャンスを原田が決めて試合を動かした。

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