市立船橋FW郡司璃来(写真=矢島公彦)

 しかし前半20分過ぎからセカンドボールへの反応が早くなると、テンポのいい組み立てが始まった。攻撃の心臓部である主将のボランチ太田隼剛(3年)を経由し、右の佐藤凛音、左の内川遼(ともに3年)の両SBが高い位置取りをし、サイドからスピーディーなアタックを仕掛けた。

 前半は無得点に終わったが、後半も市立船橋がボールを握る回数が多く、ようやく34分に同点ゴールが生まれる。太田が佐藤の縦パスを右サイドで預かると、中央に進入してフリーの2年生FW久保原心優に完ぺきな最終パスを届けた。久保原が右足で仕留めて同点とする。

 準決勝までは正規の時間で決着しない場合、すぐPK戦に入る規定だ。後行の市立船橋は2人が止められて2-4で屈し、四日市中央工(三重)を破って5度目の高校日本一に輝いた第90回大会以来、8度目の決勝進出はならなかった。

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▽第102回全国高校サッカー選手権
第102回全国高校サッカー選手権