名古屋の練習風景(写真=森田将義)

 サッカー部の生徒もこうしたサービスを上手く活用し、勉強と向き合っている。国公立大への進学を目指す6年コースの生徒には塾に通う生徒もいるが、3年コースの生徒は勉強が事足りるため、塾に通う生徒はほとんどいないという。動画だと1.25倍や1.5倍など自分に合った速度で視聴できるのもタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する今どきの生徒にも合っている。TikTokなどショート動画が当たり前となった現代は、生徒からも早送りで視られることと、コンパクトさが好まれるという。

 「人の話を聞いているだけでは分かった気になるだけ。サッカーの自主練と同じで、自らが勉強しようとしないと身に付かない」。山田監督が話す通り、学習習慣を身に付け、生徒が自主的に勉強できる環境を整えていることが、名古屋が文武両道を実現できている理由だ。同時に伝統校に甘んじず、現代に合った取り組みを導入している点も見逃してはいけないポイントと言えるだろう。#2では文武両道を後押しするサッカー部の取り組みを紹介していく。              

(文・写真=森田将義)