香港での引退試合での伊藤氏

――特に印象に残っている国やリーグはありますか?

 シンガポールや香港など国土の小さい国は移動も楽なんですが、インドや東ティモールなどは移動が過酷でしたね。飛行機も乗り換えますし、定時に出発しなかったり、バスなどもエアコンがなかったり、舗装のされていないでこぼこの道を走ったりと。インドに居る時は流石に毎食カレーが出て、辛かったですね。一生分のカレーを食べた気がします(笑) 香港はご飯も美味しかったですし、私生活も充実していましたね。特に香港にいた時にプレーしていたキッチー(傑志体育会)は、当時の選手はみんな仲良が良く、試合後はよく全員でご飯に行っていました。キッチー所属時は、プレシーズンマッチでACミランと対戦することも出来ました。相手にはシェフチェンコやマルディーニもいて、監督はアンチェロッティでした。試合は2-1で勝ったのですが、相手ロッカールームからは怒鳴り声が聞こえてきて、ユニフォーム交換は出来なかったですね(笑)また、ニューキャッスルとも対戦し、最終的にはPK戦で負けたのですが、個人的にはPKキッカーも務め点を決めることが出来たので、ニューキャッスルから得点を取ったことがあると今でも胸をはって言っています(笑) 香港に来てキッチーでプレーすることが出来てからは、サッカーのキャリアも上がっていったので、心から感謝してますね。

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