米子北

――改善できるかは個々に委ねられます。昔以上に時間がかかりますか?

 かかりますね。今は指摘したら、一瞬だけ良くなりますが、続かない子も多いんです。昔は子供たちの中で「中村真吾監督が言っていることはこうだよね」と、本心を読み取って行動してくれていたけど、今はそれができる子が少なくなりました。恐怖心で動くのではなく、言葉の意味を感じ取ってできる子が減りましたね。フォローをしないとできない選手が多い。中村監督が言って、僕がフォローするとか。そうした関係性で指導をしないと、這い上がってこられないんです。僕たちの目的はみんなを這い上がらせることです。なので、手を差し伸べつつ、厳しいことを言いながらも選手と向き合っています。

――昌子選手はどうでしたか?

 彼はメンタル的に弱かったけど、一番成長したのはハートの部分。技術は持っていたので、メンタリティーの部分とかはうちで成長した部分かなと思います。

――今を考えると、教え過ぎている部分もありますけど、言わないと分からない部分も多くあります。

 チームは早く作らないといけないので、これはやってほしいというのは言わないといけません。時間がないので、チームの形を作るためには言うしかない。ただ、最後のところは本人が考えないといけないので、考える時間を作らないといけないのも事実。スタンスはこっちから何をやってほしいというのを言うようにしています。最後はそこが大事なんです。もちろん、自分自身が高校生の頃にできていなかった点はあるし、ちょっと余裕ができた大学生になれば考えることができるようになりましたが、それをプレッシャーがかかった中で早くできるようにできれば良かったなと思うんです。なので、高校でバランス良く考えられるようにしたいですね。うちはもっと考えることをできるようにしないといけません。

(取材=松尾祐希)