長野奪還の文字

「コイツらすごいなあ」と思わせた東海大諏訪女子サッカー部

 その後、私は2014年から中学・高校での指導経験を活かし「サッカーの楽しさを伝えたい」という想いを持って少年向けのサッカー教室「安藤塾」を開設。同年からは東海大三(現:東海大諏訪)にコーチ業を移して指導を続けてきました。その中で自分の新たなチャレンジとして考えたのは「監督業をしてみたい」ということ。そこで出会ったのが約10年前に創設されていた東海大諏訪女子サッカー部という世界。こうして昨年から私は東海大諏訪女子サッカー部の監督に就任したんです。

 最初の印象は「このままでは部活の存続が危うい」。当時3年生こそマネージャー含めて11人いたんですが、2年生は4人・1年生も9人。このままだと人数不足になるのは明らかでした。

 でも、3年生たちは技術は劣っていてもすごくトレーニングから一生懸命に取り組む。「コイツらすごいなあ」。男子にはないひたむきさや真面目さ。自分を本気にさせてくれる気持ちを彼女たちは持っていたんです。そこで私は「東海大諏訪女子サッカー部」というブランド力を付けることに取り組もうと決意しました。

 まずやったことはこれまでの自分の人脈を活かした中学生・中体連のチームとの練習試合。特に女子選手がいるチームとはすすんで試合を組みました。自分たちの試合と同時に広報活動をしていきました。

 次は目標設定。まず「本気で全国優勝を狙う」を掲げ、それを達成するために全国大会・北信越大会を勝ち抜くために長野県大会で優勝することを目指す。かつトレーニングから「これで長野県大会を優勝できるのか?」ということを基準にしています。

 コンセプトは「できるだけ前からみんなで協力してボールを奪ってショートカウンターで攻撃回数を増やし得点を重ねる」。そのためにコミュニケーションについては繰り返し話しています。「明るくて選手たちが笑顔」でサッカーができるようにチームでやっていくことを方向性として打ち出しています。

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