MF金川羅彌(左)、DF津久井佳祐(中央)、MF北村一真(右)(写真=森田将義、松尾祐希、川端暁彦)

【8】MF金川羅彌(日章学園/3年/テゲバジャーロ宮崎内定)

 小学生のころからナショナルトレセンに入り、早くから才能を買われていた逸材だ。日章学園出身の祖父と早稲田一男前監督が知人だった関係で中等部に進学し、中学校3年生のときに日本一を経験。高校入学後も昨季からピッチに立ち、パスセンスを武器に中盤の核として存在感を示してきた。今季は怖い選手を目指し、ミドルシュートでゴールを脅かす場面も増加。決定的な仕事を果たせる選手に変貌を遂げた。

 「自分たちは全国大会に出るためにきたわけではない。全国で上位進出を果たすためにきた」。やり残した最後の大仕事をやり遂げ、プロの世界に足を踏み入れる。

(文=松尾祐希)

【9】DF津久井佳祐(昌平/3年/鹿島アントラーズ内定)

 目に見えて屈強というわけではない。むしろどこか飄々としている。しかし、CBとして秘めている能力は、あふれんばかりのものがある。ピッチ全体を見渡し、瞬時に状況を把握できる“目”。相手の狙いを察知していることを裏づけるポジショニングのよさ。一瞬にしてその狙いどころを消してしまうカバー力。津久井佳祐は、いつも鮮やかにボールを奪い切る。

 クレバーな男だが、球際の競り合いも激しい。体をねじ込み、ハンドオフで相手を封じながらボールを奪ったり、戻りながらシュートコースに足を入れたり、頭脳と力強さを兼ね備えている。

 卒業後は鹿島入りが決まっている。屈強なタイプのCBが多い鹿島において、「より柔軟性をもった選手」とスカウトも評するなど、次世代のCBとしての期待も高い。

(文=安藤隆人)

【10】MF北村一真(国見/3年)

 かつて大久保嘉人ら多くの名手が背負ってきた“国見の10番”を背負って攻守の舵取り役となる。

 スキルの高さを生かして後方での組み立て役を担いつつ、トップ下からさらに前方まで進出してゴールにも絡む。今季は「ゴールに向かうプレー」を特に意識しているというが、その成果は確実に出ている。また自信がなかったというプレースキックも、猛練習を重ねて「味をしめました」と笑って言うほどの精度を獲得。もはやチームの貴重な武器である。

 木藤健太監督からも「努力家」として名前が挙がるこの姿勢こそ、北村一真最大の武器。選手権の舞台でも、もう一皮むけた姿が見られるはずだ。

(文=川端暁彦)

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