MF中田舜貴(徳島市立/3年)写真=森田将義

MF中田舜貴(徳島市立/3年)
 状況判断とパスセンスに優れたボランチで、ロスなく攻撃を組み立てる様はリンクマンとの表現が良く似合う。主将を任される今年は精神的な成長も感じられ、プレーに力強さも出てきた。プリンスリーグ四国や選手権での活躍次第は、その名を全国に轟かせる可能性が十分にある四国屈指のMFだ。

 中学までは徳島ヴォルティスジュニアユースでプレー。ユースへの昇格も可能だったが、「高校サッカーで頑張った方が成長できると思った。選手権のような注目度の高い舞台に出れば、スカウトに見てもらう機会が多いのも魅力だった」と徳島市立への進学を決意した。同じく徳島ジュニアユースから徳島市立に進んだMF郡紘平(現・専修大)の活躍も刺激になったという。

 入学当初は、中学時代に少なかった雑用や練習準備などプレー以外の作業に戸惑ったが、「高校に入ってから、これまで意識できていなかった人間性の部分で成長できたと思う」。また、河野博幸監督から指摘されてきた守備の弱さも一つ上の先輩であるMF阿部夏己(現・日本大)の献身的なプレーを間近で見て、意識が大きく変わった。「夏己さんにずっと助けてもらっていた。相手に当たりに行くタイミングなどを本当に勉強させてもらった」。

 7月に行われたインターハイの代替大会では、「点が獲れるならドンドン狙いに行きたい」と積極的にフィニッシュに絡む場面も増加。チームへの貢献度は昨年までと比べ物にならない程、増している。昨年のインターハイ、選手権で刻んだ全国ベスト8を越えられるかは彼にかかっていると言って過言ではない。

(文・写真=森田将義)