プロのスタートをきった鹿島でのトレーニングは当初ケガのためにリハビリ中心だったが、3月中旬にチームの全体練習に合流。元気な姿を見せていた。

 そして3月21日、札幌とのトレーニングマッチで、いきなりゴールを決めてみせた。味方からのパスを受けて、ドリブルで持ち上がり、GKとの1対1を丁寧にゲットした形だが、シュートまでの一連のアクションがこれほど滑らかなFWはそういないのではないか。

「大器の片りんを見せつけたね」と、チーム首脳陣も思わず笑顔になる。

中学時代、鹿島つくばジュニアユースに在籍していた当時、ボランチだったが、尚志に進み、FWとしての才能を開花させていく。

 力みがなく、しなやか。

 そんな染野がしのぎを削り合うプロの世界で、どのくらいのゴールを積み上げていくのか。俄然、夢が広がるが、今はまだ序章に過ぎない。

(文=小室功)